全球生物地球化学的環境における東南極域エアロゾルの変動

課題番号:AP0932
代表者:林 政彦(福岡大学)
実施期間(隊次):61次、62次、63次

日本―昭和基地間の海洋上の大気中微粒子や、雲の大きさ、量、成分、光の吸収、散乱の性質についての観測を「しらせ」の06甲板と第1観測室に設置した観測装置によって観測しています。これらの観測データからインド洋上での微粒子と雲の関係や温暖化への影響を検討します。

昭和基地においても、微粒子の量や成分の観測を数年にわたって行っており、61次隊からは、ベリリウムやラドンなどの放射性同位体などの観測を引き継ぐとともに、微粒子中の硫黄、窒素、酸素の安定同位体などの観測を開始しています。これらのデータから東南極地域へのエアロゾルなどの輸送システムや反応システム、自然起源と人間活動の割合と相互作用など解明を目指しています。

また、南極大陸上や昭和基地において無人航空機による大気微粒子観測を実施して、新しい無人航空機システムの有効性を実証し、無人航空機の環境計測利用を展開するとともに、南極地域における主な粒子状物質である生物活動起源の硫黄を含む物質からの、粒子生成過程の解明などに取り組んでいます。

「しらせ」第1観測室のエアロゾル観測装置

「しらせ」06甲板の船舶用オリオールメータ(太陽周辺散乱光観測装置)

エアロゾル観測装置が合設置されている昭和基地の清浄大気観測室

微粒子観測装置を搭載した無人航空機

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