昭和基地での宇宙線観測による第24/25周期の太陽活動極小期の宇宙天気研究

課題番号:AP0925
実施期間(隊次):61次、62次、63次
代表者:加藤 千尋(信州大学)

太陽活動は約11年で強弱を繰り返しており、黒点が最も多く出る時期を極大期、黒点が最も少なくなる時期を極小期と呼んでいます。1980年代から極大期の黒点数は徐々に少なくなっており、特に2009年の極小期には無黒点日が続き、1950年以降の観測史上最大となる宇宙線強度が観測されました。

本プロジェクトでは、昭和基地に宇宙線観測装置を設置することで、特に2020年頃に予想される次期極小期に宇宙線がどれほど増えるか予測し検証することや、太陽フレアなどに伴う一時的な宇宙線の変化を理解することを目的としています。

地上で計測できる宇宙線には、主にミューオンと中性子の2種類があります。現在のミューオン計ネットワーク(GMDN)と中性子計ネットワーク(SSE)はそれぞれが独自の成果を挙げてきましたが、両者を統合して宇宙天気研究に利用した例はありません。本研究ではこの点に着目し、従来のミューオン観測と中性子観測の両方を統合することにより、宇宙天気研究の新展開を図ります。

簡易モニターとしてウェブ上で観測データの一部を見ることができます。

観測装置を入れたコンテナ

宇宙線μオンを観測するための計数管

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