SuperDARNレーダーを中心としたグランドミニマム期における極域超高層大気と内部磁気圏のダイナミクスの研究

課題番号:AP0928
代表者:行松 彰(国立極地研究所)
実施期間(隊次):61次、62次、63次

Super Dual Auroral Radar Network(SuperDARN, スーパーダーン)レーダー網は、1995年に開始された、世界11カ国で進められている国際共同プロジェクトです。現在では全世界で35基を超える短波(HF)レーダーの観測視野が、極域および中緯度地域を広く覆うように配置されています。

昭和基地にも2基のレーダー(第1装置(Syowa South)と第2装置(Syowa East))があり、それぞれ、16本の送受信用アンテナ、4本の受信用アンテナが平行に並ぶよう設置され、南極域のはるか上空の大気の動きや電場の分布などを観測しています。その範囲は水平方向に3000kmを超える広大なものです。

SuperDARNレーダー網の観測データからは、地球規模の超高層大気や宇宙の“天気図”を時々刻々と得ることができます。さらに現在、磁場や光学の観測網などの他の様々な地上観測や人工衛星との同時観測を行い、ジオスペース(地球大気や地球周辺の宇宙空間)と太陽活動の関係や複雑な結びつきの解明を目指しています。

宇宙天気の乱れは、オーロラや磁気嵐に関係するだけでなく、通信障害や測位精度の悪化、大規模停電、人工衛星の故障や宇宙飛行士の放射線被ばくなどにつながる危険もあるため、宇宙で今何が起きているかを知ることのできるSuperDARNレーダー網の重要性は、今後、さらに高まっていくでしょう。

昭和基地に設置されている地磁気の南方向を観測する第1HFレーダー(Syowa South)。
この他に、地磁気の東方向を観測する第2HFレーダー(Syowa East)が設置されている。

SuperDARN観測視野

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