統合測地モニタリング観測

課題番号:AMG0901
代表者:土井 浩一郎(国立極地研究所)

昭和基地では電波天体や人工衛星からの電波を利用して地球上での位置を決定するVLBI(Very Long Baseline Interferometry)やDORIS(Doppler Orbitography and Radiopositioning Integrated by Satellite)といった宇宙測地観測、そして地球の変形に伴う重力の変化を測定できる超伝導重力計を使った観測を実施しています。国土地理院が実施しているGNSS(Global Navigation Satellite System)観測や海上保安庁が実施している潮位観測と合わせて、世界的に見ても高精度な測地観測が集積した観測拠点となっています。このため、単に固体地球の変形の様子を研究するためだけでなく、グーグルマップやカーナビに表示される現在位置を決めるために必要な「国際測地基準座標系」を構築するための重要な観測局にもなっています。また、昭和基地の周辺の露岩域と呼ばれる雪や氷のない岩場ではGNSS観測や地温観測を実施していて、最終氷期から現在に至るまでの南極氷床変動などの環境変動を探るための研究に役立てています。さらに、大陸氷床や基地周辺の海氷にGNSS観測装置を設置して、氷床や海氷の動きを観測し、衛星観測データの確認にも役立てています。

VLBIアンテナ

DORISアンテナ(写真左)

超伝導重力計

地温観測

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