北極圏海鳥専門家グループ年次会合(The Circumpolar Seabird Expert Group Annual Meeting)の第21回会合がデンマークの自治領であるフェロー諸島の首都トースハウンで3月7日〜9日まで開催されました。本グループは北極圏植物相・動物相保存作業部会(CAFF: Conservation of Arctic Flora and Fauna)のもとに1993年に設置された海鳥の調査・保全に関わる専門家グループで、CBird Groupという略称で呼ばれています。カナダ、デンマーク(フェロー諸島およびグリーンランドを含む)、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、米国のAC国に加え、英国、オランダ、日本のオブザーバー国から海鳥類の研究者・保全に関わる専門家計22名が参加しました。日本がCBird Groupに参加するのは今回が初めてです。
エアロゾル・雲の集中観測キャンペーンArctic Clouds, Aerosols, and Radiation Experiment 2017(Arctic-CARE 2017)を、スバールバル諸島のニーオルスン(ノルウェー)にて3月上旬から開始しました。温暖化が急速に進行している北極域において、温室効果気体に加え、大気中に浮遊する微粒子であるエアロゾルや雲がどのような役割を果たしているか、明らかにする必要があります。本観測キャンペーンでは、ニーオルスンのゼッペリン山観測所(標高474m)において、国立極地研究所・東京大学・ウエストテキサスA&M大学の研究グループがこのエアロゾル・雲をターゲットに観測を行います。
北極圏植物相・動物相保存作業部会(CAFF:Conservation of Arctic Flora and Fauna)のboard meetingがノルウェーのカウトケイノで2月1-2日に開催されました。カウトケイノはサーミ人の居住地です。
2016年11月10日〜2017年1月27日にかけて、韓国の仁川にある韓国極地研究所(KOPRI)に滞在し、共同研究に必要な観測データの収集や打ち合わせを行ってきました。
2017年2月1-3日に、ワシントンDCのジョージタウン大学にて開催された北極の海氷減少に伴う中緯度気候への影響に関する研究についてのワークショップ(2017 Arctic change & its influence on mid-latitude Climate & weather)に参加してきました。この会議では、ユーラシア大陸や北アメリカで頻発している冬季の寒冷化に対して、北極海の海氷減少が影響を及ぼす可能性について、科学者間のコンセンサスを得ることを主な目的として開催されました。大気モデルによる北極海の海氷感度実験の結果は、モデル間で多くのばらつきがあることから、北極の海氷減少以外の他の要因やモデル実験の設定等に関する議論がなされていました。
北極域氷河の動態と質量変動について議論するワークショップが、2017年1月23-25日に米国メイン州で開催されました。本ワークショップは、国際北極科学委員会(IASC: International Arctic Science Committee)に帰属する北極域氷河研究ネットワーク(NAG: Network on Arctic Glaciology)が主催するもので、次の3つを開催目的としています。
AMAP Working Group第30回会合が2016年11月28日から12月1日までの間、フィンランドのヘルシンキで行われました。AC正式メンバーである北極圏8カ国と先住民団体6団体のうち3団体に加えて、日本をはじめとするオブザーバー国(12カ国中6カ国)や関係団体(PAME, CAFF, EPPR, IASC, WWFなど)が参加しました。
2016年9月19~21日の3日間に渡り、米国ポートランド州メインにて開催された北極評議会PAME(Protection of the Marine Environment in the Arctic)ワーキンググループ総会に参加してまいりました。
グリーンランド(デンマーク自治領)は、環境変動と社会変化の結節点として、多くの注目を集めています。例えば、海水温の上昇や結氷期間の短縮といった気候変動現象は、陸・海棲哺乳動物や水産資源とともに生きる人たちの生活に、少なからぬ変容を迫っています。同時に、近年の環境変動が、石油や天然ガス、鉱物資源の商業的利用の可能性を高めたことによって、グリーンランド政治の中枢では、経済的自立と本国デンマークからの独立を示唆する政治家が台頭するようになりました。このように、今日のグリーンランドは、環境変動と社会変化が「交差する」場として認識され、それが全地球的に影響を与え得る可能性を秘めていることから、研究者だけでなくジャーナリストや冒険家を含め多くの人たちが関心を寄せる場となっています。
2016年8月22日〜10月5日にかけて行われた、JAMSTECの海洋地球研究船「みらい」の北極航海に乗船しました。