ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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カナック氷帽での観測につづいて、村から20km離れたボードイン氷河において現地観測を実施しています。近年急速な変化が起きている氷河末端部に着目して、2013年から毎年観測を実施しているものです。ボードイン氷河は120年前にアメリカの探検家Robert Pearyが訪れたことが知られており、現在では地元の人々が狩猟のために氷河前のフィヨルドを訪れます。

6月27日にArCSのテーマ1「気象・海氷・波浪予測研究と北極航路支援情報の統合」とテーマ7「北極の人間と社会:持続的発展の可能性」のメンバーが一堂に会して、北極海航路に関する合同セミナーを開催しました。特に経済界から期待の大きい北極海航路の実用化に向けて、テーマ1とテーマ7の研究者がそれぞれ知見を発表し、異分野で連携して取り組むべき課題について話し合うことを目的とするものです。最初にテーマ1とテーマ7の実施責任者が、各テーマの研究課題とその方向性について説明した後、前半と後半に分けて報告が行われました。

日本を2016年7月6日に出発し、ケベックシティーに到着した私はLaval大学にあるCEN(Center for Northern Studies)に向かいました。2013年12月〜2014年3月にかけて訪問研究者としてCENに滞在した縁で、CENがカナダ東部の北緯55度〜83度にかけて広範囲に保有する基地を利用したカナダとの共同観測ができることになりました。その中でも最北に位置するWard Hunt島の基地が今回の調査地です(図1)。調査チームはカナダから4名、日本から私と立命館大学の熊谷道夫さんの2名の合計6名で構成されています。

ASSW 2016参加報告

2016年3月12日から18日までArctic Science Summit Week 2016(ASSW 2016)が米国Fairbanksにて開催され、日本からは国立極地研究所、海洋研究開発機構、北海道大学などのArCS関係者を含む合計50名が参加しました(参加者数としては米国に次ぎ2位)。期間中、ASSWのビジネスミーティングに加えて、Arctic Observing Summit 2016(AOS 2016)、Model Arctic Council(モデル北極評議会)、北極高級実務者(SAO)会合が同時に開催され、参加者1000名を超える規模の大きな学会となりました。

JpGU 2016 Meetingブース出展

2016年5月22日(日)~25日(木)に行われた、日本地球惑星科学連合(JpGU)2016年大会にブースを出展しました。ブースでは、今回初お目見えのArCSパンフレット、代表・副代表機関のパンフレットなどを配布するとともに、各メニュー・テーマを紹介するポスターの掲示、ADSのデモ展示などを行い、プロジェクトの概要等について来訪者に説明を行いました。

ブラックカーボン及びメタンに関する第2回AC専門家会議が2016年6月8, 9日にフィンランドのヘルシンキで行われました。アメリカ、カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、AAC, ACAP, ドイツ、イタリア、日本、ポーランド、EU、ACから23名が参加し、日本からは、国立極地研究所の近藤 豊(特任教授)が出席し討議に参加しました。