2018年7月8日に日本を出発し、翌日ケベックシティーに到着。ラバル大学で、調査に向けての最終打ち合わせと調査物資の最終確認と積み込みをしました。今年のメンバーは、私の他に、ラバル大学准教授のAlex、フィールド技術員のDenis、ポスドクのCatherine、ケベック大学Chicoutimi校大学院生のEliseの合計5名。Alexはサンフランシスコ出身のアメリカ人ですが、他の3名はみなフレンチカナディアンです。
初めまして。三菱電機株式会社の杉山と申します。
幼少期から北極や地球温暖化に興味があり、自分の専門分野(電力・エネルギー)と絡めて何か貢献ができないものかと模索していたところ、本募集(若手技術者派遣)を見つけすぐに応募しました。幸運にも採用いただき、本当に感謝しています。
レイキャビク(アイスランド)で10月に開催された「北極サークル」に参加しました。
北極サークルはグリムソン・アイスランド前大統領等により2013年に設立され、政府関係者、研究者、ビジネス関係者等、約2,000名が集まる国際会議で、北極版ダボス会議とも言われます。毎年10月にレイキャビクで開催されており、本年は10月19日から21日までの開催でした。
我々のチームでは寒冷海域の利用で問題となる船体着氷の発生予報やメカニズム解明を目的として、海水飛沫/船体着氷の観測を行なっています。
北極域研究推進プロジェクト(ArCS)の第4回目となる公開講演会を2018年11月9日(金)に東京・一ツ橋の一橋講堂で開催しました。今回の講演会では、「北極の環境変化と人々への影響」というタイトルのもと、前半は北極域の自然環境の変化について各分野の研究者が講演を行い、後半は前半を受けて、それらの変化の影響・インパクトを論じるパネルディスカッションという形式で実施しました。また、受付前では、「Our Activities in the Arctic」と題し、北極の環境変化とプロジェクトの取り組みを紹介するパネル展を行いました。
2018年9月6日から10月2日までカナダの砕氷船Louis S. St-Laurent(写真1)に乗船し、北極海カナダ海盆の海洋観測を行いました。全体としては、CTD観測、ニスキンボトルによる採水、プランクトンネットを用いた動物プランクトンの採集、XCTD観測、海氷観測、ITPブイの回収・設置、係留系の回収・設置などが行われました。我々のグループは、ニスキン採水、採水したサンプルのアルカリ度の測定、係留系に設置した時系列採水器の回収を行いました。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が所有する海洋地球研究船「みらい」(写真1)を利用して、2018年10月24日から12月7日にかけて、北極海における観測航海が予定されています。 私たちは10月22日と23日に関根浜港を訪問し、「みらい」に大気中の温室効果ガスを測定するための連続観測システムと空気サンプリングシステムを設置しました。
我々のグループでは、北極気候に関わる大気物質の動態とその影響を明らかとすることを目標に、「みらい」北極航海において、これまでデータの乏しい海上の大気組成測定を実施しています。
2018年のみらい北極航海に乗船中のアイスパイロット、Duke Snider氏はこう言っています。`Ice Navigators want as much data, as soon as possible’。情報の量と即時性がなぜ重要なのでしょうか?
私は本派遣で2018年7から8月にかけてカナダのヌナブト準州に位置するバイロット島、ポンドインレットを訪問してきました。バイロット島は人間の侵入、行動が厳しく制限された国立公園(Sirmilik National Park)で、入島には事前に多数の手続きを踏む必要があります。交通手段はヘリコプターか徒歩のみであり、ほとんど手つかずの自然が保護されています。ポンドインレットはバフィン島北部に位置する村で、イヌイットの居住区になっています。バイロット島研究の拠点として、夏季は研究者が多く訪れる村でもあります。