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Arctic Frontiers 2021 参加報告

報告者:榎本 浩之(国立極地研究所)

2021年の開催では、“Building Bridges” をテーマとして、科学と産業、政策、世代をこえた現在と未来、についての発表や意見交換が行われました。特に若手の研究者や先住民の様々な将来への懸念や対応、展望についての意見効果が印象に残りました。また、EU、ノルウェーなどの政策決定者の基本方針の発表とパネルでの直接的な意見交換が活発に行われていたのも印象的でした。開催地ノルウェーの北極評議会としての責任や活動、若手との意見交換、EUが気候変動対策を優先してのGreen Deal活動を行っていくことが説明されました。活動内容としては、気候変動対策と次世代に希望を持てる社会を作ること、その中での北極評議会やEUの姿勢を示すという性格が強く感じられました。

科学政策や若手に関するセッションでは、経験のあるモデレーターが発表からのアウトカムや意見交換を活発にすることが行われていました。また、政府関係者がこのような公開リモート会議で直接的に議論を行っていることにも感心しました。

また、科学セッションも並行して開催されていましたが、終了したばかりのMOSAiCの活動や初期成果の紹介が積極的に行われていました。政策的なセッションと科学セッションは独立しており、科学セッションでは科学シンポジウムとして科学成果の紹介と議論が行われていました。参加者は、それぞれが興味のあるセッションに分かれて参加している様子でした。通常であれば、空間的に会場が分かれていることが多いのですが、今年はリモート会議システムによる開催であったため、開催場所間の移動を気にせず、行き来することができました。