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GRISO Summer School 2022への参加

若手人材海外派遣プログラム参加者:2022年度第1回短期派遣
王 鄴凡(北海道大学)

2022年7月11日から7月22日の間、グリーンランドのNuukで開催されたGRISO Summer School 2022に参加しました。このSummer Schoolは、グリーンランド氷床の最近の変化に伴う大規模で複雑な問題に共同で取り組むことに関心を持つ科学者の国際的でオープンなネットワークであるGRISO(Greenland Ice Sheet Ocean Science Network)が主催しているものです。Summer Schoolのテーマは「グリーンランドの沿岸縁辺における氷河後退の影響」で、これは私の現在の研究と深く関係があります。Summer Schoolでは、グリーンランドの沿岸縁辺における氷河の後退の影響を深く理解するための素晴らしい機会を与えてくれました。

Summer School参加者の集合写真

Summer Schoolの活動は、主にグリーンランド天然資源研究所(GINR:Greenland Institute of Natural Resources)で行われていました。最初の1週間は、主に氷河学、海洋学、生態学など、フォーカストピック(Impacts of glacier retreat on Greenland’s coastal margins)に関連した科学講義を聴講しました。この講義では、これまで論文でしか見ることのできない著名な研究者の方々を身近に感じることができ、グリーンランド沿岸縁辺部の環境変化に注目することの重要性を深く認識することができました。科学講義の他にも、Knowinnovationが主催した重要なコラボレーションやグループスキルに焦点を当てた活動に参加しました。もちろん、自分の研究についても簡単に紹介し、他の参加者や先生の方々と議論しました。また、第1週目にはKobbefjord Research Stationへの半日フィールドトリップがあり、当地の研究者が現在行っている研究と観察フィールドを紹介してもらいました。

Kobbefjord Research Stationへ訪問の様子

2週目は、COVID-19の集団感染のため、すべての活動をオンライン開催することになりました。残念ではありましたが、それでも、色んな活動を行うことができました。GINRの研究者からはGINRで現在行われている研究の紹介、グリーンランド大学の研究員からはグリーンランドの教育についての講義があり、今まで知らなかった高い教育施設が整っていない現状を知ることができました。講義の他には、3つのグループに分かれてグループプロジェクトが実施されました。私はアメリカとベルギーから来た3人の博士課程の学生と一緒のグループになり、グループプロジェクトはグリーンランドのハリバットを課題として行われました。数日間のデータ解析と議論を経て、Summer School最終日に「The Greenland halibut (habitat): current and future evolution in Upernavik icefjord」というタイトルでプレゼンテーションが発表されました。もちろん、他の参加者や先生の方々とも活発な意見交換を行いました。

グループプロジェクトオンライン発表の様子

Summer Schoolの参加を通し、グリーンランドの氷床と海洋縁辺に関する科学の現状と研究技術を学び、自分の研究テーマ以外の知識を得ることもできました。さらに重要なことは、異なる研究・文化的背景を持つ人々と出会い、他の参加者から学び、意見を交換する機会を得たことです。このような交流は、今後の研究においてより多くのアイディアを得るための激励となり、共同研究の可能性を促進するものと思われます。

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