第63次南極地域観測の基本的な考え方及び対応方針、並びに隊員等の決定について

2021年6月30日

本日開催された第158回南極地域観測統合推進本部総会において、新型コロナウイルス感染症の状況下における第63次南極地域観測隊に関する基本的な考え方及び対応方針と、隊員及び同行者69名が決定しました。

文部科学省からの発表はこちらからご覧ください。

第63次南極地域観測の基本的な考え方及び対応方針

基本的な考え方

1.オゾンホールの発見等、世界的に重要な成果を上げ、地球環境変動の長期連続観測を行ってきた南極地域観測事業の継続を目指す。

2.昭和基地での越冬及び継続観測のための「越冬隊の交代」と「物資の輸送」を基本とする。

3.観測隊員及び「しらせ」乗員の安全を確保するため、適切な感染防止対策を講じつつ、「しらせ」及び南極での発生防止を徹底する。

4.上記考え方のもと、62次隊の経験・実績を踏まえ、「しらせ」は往復での燃料補給を計画し、観測期間の確保に努め、昨年実施できなかった氷床コア掘削計画や海洋観測等重要な観測を実施する。

基本的な考え方に基づく対応方針
事項 今年度(63次隊)
★は昨年度(62次隊)との相違点
例年の場合
検疫期間等 乗船前に2週間の検疫期間を設ける
・検疫期間前後に感染が確認された場合に備え、交代要員を用意
(健康診断は例年通り実施)
設けていない
(6月の隊員決定前に健康診断を実施)
隊員の「しらせ」
乗・下船地
乗船(往路):日本(横須賀)
下船(復路):フリーマントル(豪)※1
日-豪間は民間航空機で移動
乗船(往路):フリーマントル(豪)
下船(復路):シドニー(豪)
日-豪間は民間航空機で移動
観測計画等の決定 6月本部総会
・計画等の(案)を決定
・今後の情勢等によりやむを得ず変更する場合の対応等も併せて決定
10月(予定)本部総会
・最終決定
6月開催の本部総会で、観測計画等を決定
出発前の
本部主催壮行会
開催しない 11月に開催

※1:フリーマントルにおける隊員下船の有無は10月総会において決定。下船できない場合は日本(横須賀)にて下船。

62次隊の対応方針はこちらをご覧ください。

対応方針に基づく計画(案)
事項 63次(案) 当初計画
(コロナ考慮なし)
62次実績
観測隊の行動区分 本隊・先遣隊で構成(しらせ、DROMLAN)
別動隊(海鷹丸)は検討中
本隊・先遣隊・別動隊で構成(しらせ、DROMRAN、海鷹丸) 本隊のみ(しらせ)
DROMLANの利用 利用する(先遣隊)※2 利用する(先遣隊) 利用無し
観測隊ヘリ チャーターしない チャーターする チャーターなし
「しらせ」の行動計画 【往路】
日本⇒豪・フリーマントル(燃料補給)※3⇒昭和基地
【復路】
昭和基地⇒豪・フリーマントル(燃料補給・ 観測隊下船)※3⇒日本
【往路】
日本⇒豪・フリーマントル(燃料補給・ 観測隊乗船)⇒昭和基地
【復路】
昭和基地⇒豪・シドニー(燃料補給・ 観測隊下船)⇒日本
日本⇒昭和基地⇒日本(他国に寄港せず、日本-基地間を単純往復)
行動日数(うち、昭和基地沖行動日数)
141日(58日) 151日(58日) 95日(30日)
隊員編成 73名(越冬隊33+夏隊40)
他に交代要員4名と同行者7名程度を予定
79名(越冬隊33+夏隊46)
さらに、同行者13名を予定
44名(越冬隊31+夏隊13)
他に交代要員5名
当初計画を100%とした場合の活動割合 89 100% 60

※2:利用の可否は10月総会において決定。
※3:フリーマントル寄港の可否、及び可の場合の具体の給油地は10月総会において決定。往路では隊員は下船せず。現時点の給油候補地 ①HMAS Stirling基地、➁フリーマントル港外洋上。

第63次南極観測地域観測隊および「しらせ」行動計画

第63次南極地域観測隊員名簿(2021年6月30日時点)

観測隊名簿はこちらをご覧ください。

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