ArCS 北極域研究推進プロジェクト

ArCS通信

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2017年12月11日から12日にかけて、北海道大学百年記念会館でArCSテーマ7の主催する国際シンポジウム『北極域の環境・開発・国際関係』(International Symposium on Environment, Development and International Relations in the Arctic)が開かれました。本シンポジウムは、ArCSテーマ7「北極の人間と社会:持続的発展の可能性」の推進する研究事業の三本の柱:1)北極域の経済開発、2)環境と人間のインタラクション、3)北極域のガバナンスの各トピックについて最新の研究成果の発表及び議論を行い、北極域の現状と課題についての理解向上の一助とすることを目的としたものです。

神戸大学極域協力研究センター(PCRC)は、2017年12月7日から9日までの3日間、国際シンポジウム「北極法秩序形成における非北極国/アクターの貢献」を開催しました。PCRCは、北極における国際法政策課題を研究すべく、2015年10月に設立され、同年12月には北極国際法秩序の現状を俯瞰するシンポジウム(リンク先:英語ページ)、2016年7月には北極海における法秩序形成を論じる第2回シンポジウム(リンク先:英語ページ)を開催しました。

1月21~26日にかけ、ノルウェー・トロムソでArctic Frontiers 2018が開催されました。Arctic Frontiersはトロムソで毎年行われる国際会議で、北欧を中心に各国から政策決定者、ビジネス関係者、研究者が集まり、北極における持続可能性について議論を行います。今年は”Connecting the Arctic”をテーマとし、北極の社会を他の地域とどう結ぶかという問いをめぐる議論が展開されました。特にテレコミュニケーションにおける最新技術や、北極海航路の利用といったトピックは複数のセッションで盛んに取り上げられました。

2018年1月9〜11日にシアトルにて開催された標記ワークショップにオブザーバーとして参加してきました。「北極評議会」の加盟国を中心とする8カ国から約60人が集まり、北極域生態系管理の指針となる「生態系アプローチ(EA)」のあり方についての検討を行いました。

私は、2017年3月20日~2018年2月1日の予定で、ArCS若手研究者派遣事業の支援を受けて、デンマーク王国・オールボー大学北極研究グループ(AAU-CIRCLA: Centre for Innovation and Research in Culture and Living in the Arctic ※英語ページ)に滞在しています(写真1、2、3)。

アラスカの最北端に位置するUtqiaġvik(以前はBarrowと呼ばれていた)西岸沖のチャクチ海で20178月初旬から中旬に係留観測が行われました。この観測は北海道大学とアラスカ大学との共同で、現地機関の支援も受け、2009年から継続して実施されています。