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ニーオルスンでの植物と土壌の採取

若手人材海外派遣プログラム参加者:2022年度第1回短期派遣
田端 爽一(県立広島大学)

今回、私はノルウェー、スバールバル諸島ニーオルスンで植生の調査ならびに植物・土壌の採取をしてきました。さらに海外の研究者や技術者の方と話す機会にも恵まれて、貴重な経験になりました。

まず私の研究目的について簡単に述べさせていただきます。本研究は以下に示す2つの目的があります。
(1)北極域土壌における難分解性有機物である腐植物資の分解量を明らかにすること。
(2)北極域土壌から腐植物質を抽出し化学的にどのような特徴があるかを評価すること。
実験的な内容として(1)は複数の条件で土壌に腐植物質を添加して、二酸化炭素濃度を定期的に測ることで分解量を評価します。(2)は国際的に定められた手法を用いて腐植物質を抽出し、様々な化学的な分析を行います。その第一歩として今回の海外派遣では植生の調査、そして植物と土壌の採取を行いました。

続いて現地での研究調査の流れを説明します。植生の調査、植物と土壌の採取、前処理という流れで行いました。植生の調査ではどのような植物がどのような場所にいるのかを観察し、採取の対象とする植物を決めました。植物と土壌の採取では対象の植物とその下の土壌を得ることができました(写真1)。前処理では採取してきた土壌から植物の遺骸や礫を取り除き、ふるいにかける操作を行いました。これらの研究調査で、帰国後の実験に必要な量の試料を得ることができました。

(写真1)土壌採取の様子

蛇足にはなりますが、調査時の様子についても皆さんと共有したいと思います。私が滞在した8月下旬から9月中旬はニーオルスンでは夏の終わりといった様相でした。気温は下がり始めていて、雪が積もったり、体感気温が-10℃になったりと極地の厳しさを感じることができました。また、野外で活動する中でトナカイ、アザラシ、ホッキョクギツネ、ライチョウなどの動物にたくさん会うことができました(写真2、3)。

(写真2)調査中に出会った動物(1)アザラシ
(写真3)調査中に出会った動物(2)ライチョウ

最後に今回の派遣では多くの成果を上げることができました。この場を借りて本派遣プログラム、関係者の皆様方に感謝申し上げます。

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