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日本とは異なる学会形態:JESIUM2022

若手人材海外派遣プログラム参加者:2021年度第3回短期派遣
安間 元紀(北九州市立大学)

私は2022年10月4日から17日までArCS II若手人材海外派遣プログラムの支援を受け、フィンランドを訪問しました。本派遣で非破壊的な藻類フィールド分析法の測定技術検証と温暖化による低温適応植生への影響と炭素循環についての情報収集を行いました。氷上にはIce algaeという藻類が生息しています。この生物の生息調査時は氷の破壊をして藻類の採取を行う必要があり、生息域まで氷を破壊するため分布調査に時間と労力がかかります。従来の調査手法より容易にする手法により極地研究が加速できることが考えられます。そこで、北極域では太陽光暗線(フランフォーファー線)が日本と比べて深いので、高感度な太陽光暗線の観察が可能です。そして光合成生物は太陽光暗線の波長に重なる波長であるクロロフィル蛍光を発するため、この2つのスペクトルを用いた手法によりフィールド上で非破壊的な藻類分布の測定技術の検証を主な目的にしました。本研究の詳細に関しては報告書 を参照ください。

JESIUM 2022の発表の様子

ここでは、低温適応植生への影響と炭素循環についての情報収集を行ったJESIUM 2022での様子を紹介します。JESIUM 2022はヨーロッパを中心に安定同位体を用いた研究についての会議です。今回の会議は5日間開催されました。初日は博物館見学やフィンランドならではのサウナに入るなどの懇親中心のプログラムです。2日目以降は気象や植生、栄養学など多岐にわたる研究発表が行われています。コーヒーブレイクでコーヒーや紅茶を飲みながら交流することやポスター発表ではお酒を片手に発表者と聴衆者がいる光景に衝撃を受けました。また、発表者は聴衆を楽しませるために時々ジョークを挟むことで楽しませることをしているので発表内容に関しても興味を引き付けられました。そして意見交換の場には食事があることで率直に思ったことが言いやすい環境に繋がり日本にも導入されたらより活発な議論に繋がると感じました。

JESIUM 2022開催中でのコーヒーブレイクタイムの様子

このような機会をくださったArCS II若手人材海外派遣事業のみなさま、フィンランドで出会ったすべての方々に、深く感謝いたします。

若手人材海外派遣プログラム採択結果および報告書はこちら