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ArCS II北極海氷情報室2023年度フォーラム「船舶の北極海航⾏を⽀援する情報とその提供法」報告

報告者:大山 元夢(国立極地研究所 北極海氷情報室)
関連課題:重点課題②

北極海氷情報室2023年度フォーラムが2023年12月12日に東京(鉄鋼会館)およびオンラインでハイブリッド開催されました。参加者は現地とオンライン合わせて57名でした。このフォーラムでは、北極海氷情報室とArCS IIの各種課題との連携の成果や情報発信、それらのフィードバックを一般の方々にも公開し、幅広い層からのご意見をいただくことで今後の研究や情報発信の方向性を探ることを目的として開催されました。プログラムはこちら をご参照ください。

午前の部では、招待講演としてロシア北方航路の今後の利用可能性に関する発表をいただき、それを通じて北極研究の社会的な重要性を再認識しました。その後、航行計画立案に必要なデータセットや北極海の海氷厚の推定、北極海氷の分布予報についての発表がありました。また、リモートセンシングデータの時系列解析による新たな海氷厚さの推定手法や北極海氷中期予報 の予測手法、精度についても議論されました。

午後の部では、今年の「みらい」北極海航行支援の成果と将来の展望についての発表が行われました。航行支援情報として船上へ送っている海氷・波浪の短期予測とそれらの配信方法について紹介され、今後の予測モデル改良に関する発表も行われました。また、北極域データアーカイブシステム(ADS) からは「みらい」北極海航行支援データの一般向け配信とADSの活動紹介も行われました。船舶運航者や乗船研究者からの航行支援に関する評価の発表もあり、予測支援は改善の余地はあるものの十分に役立っていることが報告されました。将来の構想では、ADSが公開している航行シミュレータ の航路探索手法について、また、現在建造中の北極域研究船の航行支援システムについて発表がありました。質疑応答では、活発な情報交換が行われ、またアンケートの実施により広範囲な意見を参照することができ、貴重な情報交換の場となりました。

会場の様子

参考:ArCS II北極海氷情報室2023年度フォーラム「船舶の北極海航⾏を⽀援する情報とその提供法」開催のお知らせ