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エクセター大学(英国)における共同研究・研究交流

若手人材海外派遣プログラム参加者:2023年度第1回短期派遣
波多 俊太郎(北海道大学)

ArCS II若手人材海外派遣プログラムの支援を受け、2023年5月3日から5月17日にかけて、イギリス南西部にあるエクセター大学・地理学部に滞在し、共同研究の実施および研究セミナーにおける他分野の研究者との研究交流を行いました。今回の取り組みでは、北極域の高精度地形モデルを用いた氷河流動の新しい測定手法の開発を行いました。当初計画していた手法の開発が順調に進行したほか、一つ一つの結果とその解釈など、進捗の出るたびに非常にマニアックな点まで議論を交わしました。さらに議論を進める中で試した解析の一つが当初予想していなかった活用方法に至り、対面でじっくりとデータと突き合わせて議論することの重要性を実感しました。

また、今回の研究滞在では英国の地理学者たちとの研究交流も目的の一つでした。滞在初期の5月4日には、Geography Department Seminarの一部として交流セミナーを開催し、これまで私の行ってきた氷河・氷河湖研究や、本滞在での共同研究で目的としている北極域における人工衛星観測研究の概要を紹介しました。滞在した地理学部は私の所属分野である氷河学とはいわば“お隣”の分野で多くの共通点があることもあり、現地で用いる観測手法や人工衛星データ解析技術に関する質問や議論を行いました(写真1)。また、研究交流セミナー参加者からの誘いで、The Environmental Intelligence Seminar Series(EI Seminar)という研究セミナーに参加し、発表を行いました。ここでは私の氷河研究についての概要や、人工衛星データや数値標高モデルを用いた氷河研究・地形変動研究の可能性について紹介しました。EI Seminarでは、氷河・地球環境の専門家の他にデータサイエンスの若手研究者が多く参加しており、既に利用可能なオープンデータの詳細や氷河研究に用いられる主流の手法に関する質問の他、オープンデータの進んだ先の人工衛星観測の行く先の見通しについて意見交換するなど、強い関心が寄せられていることを実感しました(写真2)。

(写真1)研究交流セミナーでの発表
(写真2)EIセミナー対面参加者

今回の滞在を通して、自身の専門である氷河研究に関して濃密に議論を交わし共同研究を進められたほか、普段あまり交流のない周辺分野の研究者と交流できました。地理学をキーワードとして自然地理学・人文地理学の研究者が混在しているため私の普段見ているよりも研究対象が広く、こうした多様な分野が混在する研究グループとコネクションを作れたことは自身にとって非常に有用でした。今後も交流を深めて新たな共同研究につなげたいと思います。

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