将来の南極観測を支えうる新たな技術開発や極限環境へも適用可能な新技術の開発等を積極的に支援することを目的として、南極・昭和基地等のプラットホームを民間事業者の研究開発のために開放するプログラムです。
民間事業者等
原則申請者側の負担です。
実施を希望する前年度の4月1日~6月30日
最長で2028年3月末まで(南極地域観測第Ⅹ期計画終了時)
申請概要フォーム(Word/PDF)により、申請を予定している課題の概要をご連絡ください。追って、本プログラムの制度や今後のスケジュール、申請書の記載要領等についてご案内します。また、本プログラムに関するお問い合わせがある場合も、申請概要フォームをご利用ください。数日~1週間程度で回答いたします。
南極観測センターで申請内容を精査し、必要に応じて打合せやヒアリングを行います。申請書への内容の追加や修正をお願いする場合もあります。その後、国立極地研究所南極観測委員会で、
①将来の南極観測を支えうる技術または極域環境を活かした社会に貢献する技術の研究開発として、課題名・目的・内容は合致しているか
②課題遂行能力はあるか、成果の社会還元や新事業創出等の見通しがあるものか
③計画は観測隊への負担、環境への影響等、実現可能性を考慮して妥当なものか
の観点から審査を行います。審査を通過した課題は、国立極地研究所南極観測審議委員会での承認を経て採択となります。
採択された課題の実施に際しては、共同研究契約または受託研究契約を締結いただきます。
南極観測センターは実施に向けての各種手続き、観測隊との調整、観測隊に同行者を派遣する場合の総合訓練・身体検査・安全対策計画等、実施に向けたサポートを行います。
ヤンマーエネルギーシステム株式会社
「昭和基地における次世代技術人材へのサポートを目的としたDX効果検証」
代表者 西川 禎昭
実施期間:2023年8月1日~2025年6月31日
南極・昭和基地発電設備保守において継続的な運用体制(日常管理含む)と対応品質の維持を派遣スタッフのスキルのみでは無く遠隔支援でのサポート及びストレス緩和をDX活用する事で効果検証を行い、南極・昭和基地のみならず、他への応用も目的とし社会貢献に繋げる。
三機工業株式会社
「カーボンニュートラルの実現に向けたクラウド型エネルギー管理手法の確立のための昭和基地内建築設備データの収集・解析・情報展開手法の研究」
代表者 奥野 竜久
実施期間:2023年8月1日~2026年3月31日
昭和基地における電力・熱の発生と利用のエネルギー収支バランス、居住環境の計測を常時監視・リアルタイムに評価する手法を導入し、エネルギー利用実態を把握したうえで隊員が安全にかつ業務に従事できる居住環境を維持したまま、省エネルギー化を図ることを目的とする。情報収集の仕組みを自動化することにより隊員の設備管理業務の省力化を図り、取得した情報は将来の基地建設、居住棟の更新計画に役立てるとともに、カーボンニュートラルさらにはゼロエミッションに向けた取り組みへの活用を目指す。
また、遠隔地のエネルギー消費状況を把握する見える化技術の、人口減少地域への適用も検討を進める。
株式会社ミサワホーム総合研究所
内陸基地における「モジュールの簡易連結技術開発」及び「自然エネルギー利用の効果測定」
代表者 福田 真人
実施期間:2024年12月1日~2027年3月31日
・モジュール機能の変更、拡張、縮小がオンデマンド&フレキシブルに運用できる連結技術の開発(気密・防水性能の確立とジョイント角度の多様化)
・内陸モジュールに搭載した自然エネルギー利用方法、断熱仕様の効果を総合的に検証し、電力のオフグリッド化に向けた基礎データの取得
・将来的には、「移動」「可変(拡張・縮小)」・「オフグリッド」からなる空間技術(transformation technology)を確立することにより、平常時(いつも)は建築物のような制約のない自由な空間設置が可能となり、災害時(もしも)は臨時インフラとしての空間備蓄を可能とすることへの期待
株式会社ミサワホーム総合研究所
「日本国内での仮組立」と「昭和基地での組立」の工事進捗比較による、専門職でなくても組立が可能な建築工法の開発
代表者 福田 真人
実施期間:2024年12月1日~2027年3月31日
「日本国内での仮組立」と「昭和基地での組立」の工事進捗を比較・分析し、納まり・工程上の改善点をフィードバックして、昭和基地の施工・気象条件でも国内と同様の工事進捗が可能な建築構法を確立することで、職人不足が深刻な国内の建築業界にも寄与する。