2024年5月16日
南極観測における設営活動をより安全かつ効率的、そして環境に配慮したものとするための技術や情報の発表、意見交換の場として「第20回南極設営シンポジウム」を開催致します。
本シンポジウムでは、各界の様々な取り組みについて発表していただき、南極観測の設営分野での新たな可能性について考えて行きたいと思っています。
南極の設営に興味をお持ちの多数の方々のご参加をお待ちしています。
日時:2024年6月25日(火) 10:00~17:15(9:30開場)
会場:国立極地研究所極地観測棟3F (東京都立川市緑町10-3)
(TEL 042-512-0779 E-mail setsuei-sympo@nipr.ac.jp)
主催:国立極地研究所南極観測センター
会費:参加無料(情報交換会は除く)
内容:10:00~10:05 開会挨拶 野木義史(国立極地研究所所長)
10:05~17:10 発表(詳細下記)
17:10~17:15 閉会挨拶 伊村智(国立極地研究所副所長)
シンポジウム終了後、同所にて情報交換会を予定していますので、ぜひご参加ください。
(時間:17:45~19:15 参加費:2,000円)
座長 | 演題 番号 |
演題 | 発表者(所属) | 発表内容 | 時間 |
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開会挨拶 野木義史(国立極地研究所所長) | 10:00~ 10:05 |
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永木毅 | 1 | 南極地域観測隊活動記録の映画制作 | 中川西 宏之(合同会社SAI) | 南極地域観測隊の活動への理解を深め南極の大自然の魅力を伝えるため、児童生徒向けにドームシアター向け映像制作を提案します。ドームシアターは日本国内に約200館、入場者数は約900万人、6割以上が小学生とその家族です。 | 10:05~ 10:23 |
2 | Starlink衛星通信を活用した南極からの8Kライブ映像伝送 | 菅野 勝(株式会社KDDI総合研究所) | 南極大陸の自然観測や、昭和基地から離れた場所での観測隊員の作業効率化などを目指し、スペースXが開発したStarlink衛星通信回線と可搬型のアンテナによる8Kライブ映像伝送を南極~日本及びスペイン間で実証した様子を報告する。 | 10:25~ 10:43 |
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3 | 観測隊における情報通信基盤の現状と計画 | 岡田 雅樹(国立極地研究所) | 南極地域観測隊において情報通信基盤は安全確保だけでなく効率的な運用のため必須の要件です。急激に変化する情報通信の技術動向と観測隊における導入計画について紹介します。 | 10:45~ 11:03 |
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4 | 新たなゴミ処理の形・・・熱分解へ! 省エネ・持ち帰りゴミの削減・環境に貢献! | 山田 竜二(株式会社アクティオ ) 野村 忠司(一般社団法人国際環境保全技術等普及振興機構) |
廃棄物(ゴミ)を熱分解処理することにより、燃料の削減と大幅な減容(最大1/300程度)を実現し、保管スペースや持ち帰りゴミ量の最少化が可能です。 排ガスや灰も無害で、水もほぼ使わず、お湯も作れる優れ物、RETEC-Xをご提案します。 |
11:05~ 11:23 |
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5 | 膜分離活性汚泥法による昭和基地汚水処理 -稼働から8年間の運用結果- | 塩原 大晟(三機工業株式会社) | 昭和基地主要部の汚水処理設備は、稼働から8年が経過した。膜分離活性汚泥法を採用した本設備について、旧浄化槽設備と比較して性能を評価するとともに、維持管理性の向上に向けた取り組みを紹介する。 | 11:25~ 11:43 |
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休憩 | 11:43~ 13:00 |
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千葉政範 | 6 | 昭和基地の物流における無人機を使ったラストワンマイルの提案 | 原口 諒平(株式会社ツバサ・フロンティア) | 昭和基地では、物資輸送を効率的かつ安全に行う必要があります。しかし、路面の状態や人手不足、設備不足といった課題があります。これらを解決するために、物流ドローンや無人車両を活用して物流を効率化することを提案します。 | 13:00~ 13:18 |
7 | 南極昭和基地における発電設備保守のDX化とAI化の準備へ | 西川 禎昭(ヤンマーエネルギーシステム株式会社) | 各施設管理の課題として、注目を集めているDX、AIなどITによる業務改善が導入検討されている。 しかし設備投資などコスト負担も大きい。現在の状況でDX化を低コストで行い、さらにそこで得たデータでAI化による現場管理者の支援や負担軽減をめざしたPoC(Proof of Concept)の中間報告を行います。 |
13:20~ 13:38 |
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8 | 昭和基地のゼロエミッションに向けたクラウド型エネルギー管理手法の研究 | 柴田 一栄(三機工業株式会社R&Dセンター) | 昭和基地のカーボンニュートラルを検討するうえで必要な、エネルギー収支の把握を実現するために、IoTとクラウドを活用したエネルギーマネジメントシステムを構築して、遠隔地の監視に関する研究を提案します。 | 13:40~ 13:58 |
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9 | 昭和基地に設置した風力発電機SD6について | 漆谷 敏郎(SDグリーンエナジー株式会社) | 2023年1月から昭和基地で運用を開始した小型風力発電機SD6について 発電実績他を発表したいと思います。 | 14:00~ 14:18 |
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休憩 | 14:18~ 14:35 |
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柏木隆宏 | 10 | 昭和基地建物の暖房用エネルギー消費に関する研究 その3 建物別の月間暖房用エネルギー消費原単位と室内温熱環境との関係 | 安部 剛(株式会社錢高組) | 24時間観測機器が稼働している4棟の観測系建物(「気象棟」「環境科学棟」「電離層棟」「地学棟」)に着目し、CFDを用いて、室内の温度分布を予測した。その室内温熱環境が暖房用エネルギー消費原単位にどの程度影響を与えるのかを建物別に検証したので、報告する。 | 14:35~ 14:53 |
11 | 昭和基地建物「夏期隊員宿舎」について | 福田 真人(株式会社ミサワホーム総合研究所) | 昨年7月に行われた夏期隊員宿舎第2期仮組工事の報告と、入札時に昭和基地の施工条件・環境条件を考慮して提案した内容の紹介。 | 14:55~ 15:13 |
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12 | 今後の内陸用モジュール活用考案 | 堀川 秀昭(株式会社ミサワホーム総合研究所) | 「ドームふじ観測拠点II」滞在拠点の「内陸居住モジュール」で生活した経験から今後の活用考案を発表します。 ※JARE現状の内陸用モジュール『内陸居住モジュール』『作業用モジュール1』『作業用モジュール2』 |
15:15~ 15:33 |
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13 | ドームふじ観測拠点IIでの掘削施設の建設について | 永木 毅(国立極地研究所) | ドームふじ観測拠点II・掘削施設は第65次観測隊の夏工事で完成した。本発表では掘削施設工事報告と観測拠点での生活について紹介する。 | 15:35~ 15:53 |
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休憩 | 15:53~ 16:10 |
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山田嘉平 | 14 | 低体温になりにくい汗処理ができるインナー | 古川 順一(健繊株式会社) | インナーの役割として暖かさ、速乾性を謳うメーカーが多い。特に近年はメリノウールを主とした天然素材を生かしたインナーを着用している方が多い。ただし、マイナス20℃以下の場合は暖かさ+汗処理が肝になり、汗処理を怠ると運動パフォーマンス低下、低体温症など数々の症状が出やすくなる。 今一度、レイヤリングの重要性と表がメリノウールで肌側がポリ塩化ビニルの重ね着ではなく、たった1枚で暖かさ+汗処理までできる当社製品のプレゼンをさせて頂きたい。 |
16:10~16:28 |
15 | 健康判定委員会は南極における疾患予防に貢献しているか? | 大野 義一朗(北海道立天売診療所/健康判定委員会前委員長) | 健康判定員会の活動のを概説する。また健康判定が南極における疾病の予防に寄与しているかどうかを検証し、今後の健康判定員会の在り方を考察する。 | 16:30~16:48 | |
16 | 学術研究基盤事業としての南極地域観測事業:設営の重要性 | 中村 卓司(国立極地研究所) | 南極地域観測事業の極地研への予算は、2012年以降文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業のカテゴリーで措置されてきた。2022年度からは、新たに設定された学術研究基盤事業として措置されることになり、より学術を支える設営的側面が強調される形となった。講演ではこの新たな事業の計画等について紹介する。 | 16:50~ 17:08 |
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閉会挨拶 伊村智(国立極地研究所副所長/南極観測センター長) | 17:10~ 17:15 |
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情報交換会 | 17:45~ 19:15 |
国立極地研究所 南極観測センター 設営グループ
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
電話:042-512-0784
E-mail:setsuei-sympo@nipr.ac.jp URL:https://www.nipr.ac.jp