「第21回南極設営シンポジウム」開催のご案内

2025年5月14日

南極観測における設営活動をより安全かつ効率的、そして環境に配慮したものとするための技術や情報の発表、意見交換の場として「第21回南極設営シンポジウム」を開催致します。

本シンポジウムでは、各界の様々な取り組みについて発表していただき、南極観測の設営分野での新たな可能性について考えて行きたいと思っています。

南極の設営に興味をお持ちの多数の方々のご参加をお待ちしています。

開催要項

日時:2025年6月10日(火) 10:00~17:10(9:30開場)
会場:国立極地研究所極地観測棟3F (東京都立川市緑町10-3)
   (TEL 042-512-0779 E-mail setsuei-sympo@nipr.ac.jp
主催:国立極地研究所南極観測センター
会費:参加無料(情報交換会は除く)
内容:10:00~10:05 開会挨拶 野木義史(国立極地研究所所長)
   10:05~17:04 発表(詳細下記)
   17:04~17:10 閉会挨拶 伊村智(国立極地研究所副所長)

参加申込

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以下のフォームよりご登録願います。但し、会場参加の場合は、直接会場にて受付でも参加可能です。

情報交換会

シンポジウム終了後、同所にて情報交換会を予定していますので、ぜひご参加ください。
(時間:17:40~19:15 参加費:2,000円)

プログラム

座長 演題
番号
演題 発表者(所属) 発表内容 時間
開会挨拶 野木義史(国立極地研究所所長) 10:00~
10:05
  1 「燃料節減」~環境にもやさしく 山田 竜二((株)アクティオ) 南極において、補給の機会は「夏」の1回に限られる。最重要資源の1つである燃料を節減し、環境負荷を軽減する策として、「ゴミ熱処理」と「燃料添加剤」を発表する。 10:05~
10:25
2 昭和基地 廃棄物埋立地処理について 柏木 隆宏(国立極地研究所) 昭和基地廃棄物埋立地は、全量撤去に向けて処理作業を実施している。第65次まで処理計画、現地測量、汚染拡散防止措置等を行い、第66次より環境対策検討書と施工計画書に基づき本掘削を実施している。今期第67次及び今後の処理計画について報告します。 10:27~
10:47
3 昭和基地におけるDX活用検証の今後のデータ活用 西川 禎昭(ヤンマーエネルギーシステム株式会社 カスタマーサポート部 企画部) これまで、昭和基地においてのDX活用を進め映像データ、設備管理データの蓄積データの活用を今後検証して行く。 10:49~
11:09
4 昭和基地のゼロエミッションに向けたクラウド型エネルギー管理システムの構築 柴田 一栄(三機工業株式会社) 昭和基地のカーボンニュートラル検討のため、コージェネエンジン排熱の利用状況を分析した。詳細なエネルギー収支把握に向けた追加センサーの調査・検討と、クラウド活用型エネルギーモニタリングシステム構築の進捗を報告する。 11:11~
11:33
休憩 11:33~
13:00
  5 昭和基地内の無線通信システム 長田 誠(株式会社西日本電子) これからの島内及び周辺の観測及び作業における 安全を管理しつつコミニュケーションを行える無線通信システム 世界での無線通信は日進月歩進歩しています。日本国内では携帯電話回線を利用したシステムも多く有りますが これらの無線通信システムは過酷な条件下や災害時を想定された無線通信システムではなく 最近の能登半島震災でも警察、消防などの無線通信さえ確保するのに苦慮していたのが現実です 現行の無線システムより将来を見据えた無線システムの提案です。 13:00~
13:20
6 Starlink衛星通信を活用した南極からの3D点群伝送 柳原 広昌(XR部門) 南極昭和基地での配管設備管理の効率化などを目指し、スペースX社が開発したStarlink衛星通信回線と可搬型のアンテナによる3D点群及び画像のライブ伝送を南極から日本間で実証した様子を報告する。 13:22~
13:42
7 昭和基地・しらせにおけるStarlink通信回線の運用について 岡田 雅樹(国立極地研究所) 第65次越冬隊、第66次夏隊から昭和基地及び「しらせ」において開始したStarlink衛星通信回線の運用の状況と今後の衛星通信基盤の方針について報告します。 13:44~
14:04
休憩 14:04~
14:20
  8 昭和基地建物の暖房用エネルギー消費に関する研究 その4 吹出口の配置や平面計画の違いによる室内温熱環境の考察 安部 剛(株式会社 錢高組) 観測系4棟で、暖房効率の良い「電離層棟」に着目し、暖房機器の配置計画や建築の平面計画を変更した場合、どの程度室内温熱環境が変わるのかをCFDを用いて検討した。
更に、観測系4棟で、暖房機器の月別運転時間を推定し、各棟の月間暖房用エネルギー消費原単位との関係についても検討したので報告する。
14:20~
14:40
9 専用タグとレーダー探知機を使用した簡易物資探索 堀川 秀昭(株式会社ミサワホーム総合研究所) 毎年、大量の物資を南極へ持ち込みます。必ずしも梱包した隊員が開梱するとは限りません。また、隊次や部門を超えて使用する場面もあります。物資の管理(誰が)・保管(どこに)が困難になった時、簡易的探索できる考案を発表いたします。 14:42~
15:02
10 内陸基地における「モジュールの簡易連結技術開発」 福田 真人(株式会社ミサワホーム総合研究所 極地住環境技術研究室) 南極内陸観測の拠点として、【移動が可能な居住空間:内陸モジュール】が使用されている。様々な機能を持つモジュールの簡易連結を可能にする技術開発を行うことで、運用に合わせてフレキシブルに形状変更が可能な内陸基地の実現を目指す。 15:04~
15:24
11 ドームふじIIでの無人オーロラ観測に向けた風力発電実験 片岡 龍峰(沖縄科学技術大学院大学) 冬季に無人でオーロラを観測するための電源確保として風力が有力だが、難易度は高い。65次および66次の夏隊・ドーム隊に依頼し、FM910とサザンウィンドを用いた風力発電実験を行った。国内での開発と、現地での動作、今後の課題について、まとめて報告する。 15:26~
15:46
休憩 15:46~
16:00
  12 口腔内スキャナーを用いた遠隔歯科検診システム 和田 慎一郎(愛知学院大学) 南極昭和基地には歯科医師が常駐しておらず、隊員の口腔内の健康状態を定期的に確認・管理することが困難な状況にある。口腔内の異常や疾患が早期に発見されず、後の健康リスクにつながる可能性も否定できない。
本実験では、口腔内スキャナー(IOS:Intraoral Scanner)を使用し、現地で撮影したデータをクラウド上にアップロード、遠隔地の歯科医師がそのデータを解析・評価する仕組みを構築する。これにより、南極における隊員の口腔内健診体制の確立を目指す。
16:00~
16:20
13 教育現場における「南極格差」をなくそう! ~将来の南極設営を担う人材育成のための提案~ 小沢 智子(山梨県立甲府南高等学校) 地球規模の問題解決に挑む未来の科学者を育成するには、まずは子どもたちに一番近い存在である教員が「南極力」を高め、子どもたちに還元していく力が必要です。日本全国のすべての子どもたちを、南極との出会いから取り残さないためのご提案。 16:22~
16:42
14 野外行動国内訓練の現状と展望について ~リスク軽減行動~ 髙村 真司(公社)日本山岳ガイド協会) 野外活動経験の少ない観測隊員の割合が高まり、野外観測支援(FA)隊員他へ装備や判断に関する問い合わせも寄せられている 。発表者はFA隊員OBとして冬期訓練講師を務める中で、隊員が有する知識や情報、リスクへの認識が変わってきたことも認識している。最近の国内訓練を通して、安全管理の在り方を検討した。 16:44~
17:04
閉会挨拶 伊村智(国立極地研究所副所長/南極観測センター長) 17:04~
17:10
情報交換会 17:40~
19:15

お問い合わせ

国立極地研究所 南極観測センター 設営グループ
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
電話:042-512-0784
E-mail:setsuei-sympo@nipr.ac.jp  URL:https://www.nipr.ac.jp