極域の大陸地殻の形成発達と太古代-原生代の地球環境変遷に関する研究

課題番号:AP1004
代表者:外田 智千

課題概要

本研究観測は、約38億年前~5億年前までの長大な時間軸を持つ南極ドロンイングモードランドからエンダビーランドの基盤地質の特質を生かして、億年スケールでの地球の大陸進化や地球環境の変遷、またそれらに関わる地殻内部での物理・化学現象を明らかにすることを目的とします。

特に、南極大陸の当該区域(東経10~60度)の地質情報から地球上で情報の乏しい南極自体の大陸地殻形成プロセスの理解をすすめる(地史・歴史)という観点と、太古代(40~25億年前)から原生代(25~5.4億年前)という情報の乏しい時期の地殻深部の現象や同位体などから復元される地球環境の億年スケールの変遷を知る(物理・化学・環境プロセス)という2つの観点で、露岩域において、地質調査と岩石試料の採取をおこないます。露岩域に野営をして、徒歩で露岩の地質をくまなく調べて回り、持ち帰って分析するための試料を岩石用ハンマーで採取します。また、ドローンを用いて、露岩の地質構造を上空から三次元的に把握します。

詳細な地質調査と採取した岩石試料の国内解析によって、南極大陸のドロンイングモードランド地域の地帯構造区分の再検討と地質学的な位置づけを明らかにするとともに、太古代~原生代の地殻プロセスの解析や太古代の地球初期の大陸地殻形成過程の解明を目指します。

東南極の地質概略

日本の調査エリアの地質区分

地質調査のようす