昭和基地におけるPANSYレーダー、HYFLITS気球による大気乱流特性の協調観測

課題番号:AP1007
代表者:Hubert LUCE(京都大学)

課題概要

乱流と呼ばれる大気中の小さな乱れは、エネルギーを熱に変換したり、物質を混合したりする重要な役割を持っています。また、乱流は重力波と呼ばれる大気中の波動が壊れるときに発生すると考えられています。そこで、乱流測定用のHYFLITS気球と重力波観測が得意なPANSYレーダーを連携させた40日間の観測を昭和基地で実施し、重力波と乱流の生成・発達・消滅過程を詳細に捉えます。この観測により、乱流プロセスの正確なモデリングを可能にし、南極域の天気予報の改善に貢献します。

この観測では、乱流測定装置を搭載した最大40基のHYFLITS気球を昭和基地から放球し、高度20kmからゆっくりと降下させ、高い分解能で昭和基地上空の乱流の振る舞いを測定します。また、PANSYレーダーやスーパープレッシャー気球観測とも連携し、乱流や重力波といった大気中の小規模な力学現象を詳細に捉えます。

観測計画の概略

HYFLITS気球観測装置