南極陸上生態系における生物多様性の起源と変遷

課題番号:AP0937
代表者:伊村 智(国立極地研究所)
実施期間(隊次):61次

61次夏隊では、昭和基地周辺地域において、地域毎の生物多様性成立過程の違いについて考察することを目的として、セール・ロンダーネ山地における陸上生物多様性調査を実施しました。この地域は、昭和基地周辺地域とは生物相が異なると言われており、地衣類、蘚苔類、細菌類をサンプリングし生物多様性を解析することで、昭和基地付近地域との比較検討を行います。

セール・ロンダーネ山地に位置するベルギーのプリンセス・エリザベス基地を拠点に、山地北西部の調査を行いました。調査地まではスノーモービルで移動し、露岩帯を歩きながらサンプリングを実施しました。また、“南極において地衣類がどのように繁殖するのか”を明らかにするため、エアーサンプラー(集塵機)を用いて大気中の地衣類の胞子などを予備的に調査しました。

調査の結果、土壌を356サンプル、地衣類・蘚類は512サンプル採取することができ、これらの分析が進められています。

サンプリングの様子

地衣類の一種