極域衛星データ受信

課題番号:AMS0901
代表者:平沢 尚彦(国立極地研究所)

衛星観測の特徴は短時間に広範囲の観測を行うことです。私たちが受信しているデータは、南極氷床の表面の温度や雲・海氷の分布を捉えます。このデータは、私たちが南極で様々な活動を安全に進めるための天気予報の材料になります。写真の白い丸いものの中には衛星データを受信するためのアンテナが入っています。写真の上には、低気圧の雲域が次第に昭和基地(白丸)に接近するようすを連続データで示します。

実は、このデータは、日本や世界各国の気象局がそれぞれの国で天気予報をするためにも使われています。南極のデータが日本の毎日の天気に関係があるのは直ぐには想像できないでしょう。地球の大気は繋がっているので、南極のデータが正確であることは私たちの生活の支えとなっているのです。

地球科学を研究する私たちが今最も注目していることの一つは地球温暖化です。南極の環境が地球温暖化によってどのように変化しているのでしょうか。逆に、南極の環境は地球温暖化の進展にどのような役割を果たしているのでしょうか。気候の変化は私たちが生活している時間と比べればとてもゆっくりと進みます。そして広範囲です。このような広範囲のゆっくりとした変化を衛星観測は捉えていくはずです。この観測は、ブリザードのメカニズムなどの毎日の現象の研究に使われながら、南極の気候の変化を記録し続けることが目的です。

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