船上地圏地球物理観測

課題番号:AMG0903
代表者:野木 義史(国立極地研究所)

海底圧力計の「しらせ」甲板からの投入の様子

「しらせ」船上に設置されている重力計および地磁気3成分磁力計により、航路上の重力および地磁気観測を行っています。「しらせ」船上で得られる重力および地磁気データとともに、海底物理の基礎となる海底地形観測も、この観測の主担当である海上保安庁を協力して実施しています。未だデータが乏しい、南極海の重力および地磁気データを蓄積し、海底地形データとともに、海洋底年代同定や地球内部構造といった固体地球科学や古環境等に関する研究の基礎資料として、国際的な枠組で実施されているマッピングプロジェクト等に貢献しています。

また、リュツォ・ホルム湾沖の定点において、海底圧力計を毎年設置・回収を実施し、海底圧力(ほぼ水深の変動、海水準の長期変動を表す)の連続時間変化データも継続して取得しています。南極海での海底圧力計による定点での連続観測は、日本が唯一実施しており、衛星の地上検証に活用されるとともに、今後社会的に大きな問題となると考えられる海水準変動の貴重な連続観測データを提供しています。

海底圧力計の「しらせ」甲板からの投入の様子

51次から60次までの「しらせ」の測線(黒線および赤線)。
赤線が第Ⅸ期6か年計画前半、58-60次(2016~2018年度)。

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